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倫理綱領

大学教育学会倫理綱領

制定の趣旨

 一般社団法人大学教育学会は、定款第3条および第4条に則って行われる学会員の活動について、依拠すべき理念と基本原則とを倫理綱領として制定する。

 定款第3条に示したように、本学会の活動には、研究の実施や研究成果の発表とともに、関連学会等との連携協力などが含まれ、それらの総体として大学教育の充実発展を図り、社会の福祉に貢献することが期待されている。また、本学会の会員は、狭い意味での研究者だけでなく、大学教育にかかわる幅広い関係者から成っている。

 本学会の目的を達成するためには、学会員としての活動に真摯に取り組み、大学教育にかかわる者としての教職員の専門的力量を高めるべきことは言うまでもない。さらに、研究をはじめとする学会員の活動が社会にもたらす影響の大きさに鑑み、専門家ないし業務にたずさわる者の集団として遵守すべき倫理規範を定め、社会への説明責任を果たし、大学教育の健全な発達を図り、もって社会との健全な関係を構築することが求められている。

 なお、学会員の活動や立場の多様性をふまえるならば、状況の変化などに対応して、学会員の共通理解と認識の深化を図るために、倫理綱領を制定にするだけでなく、会員に対し、倫理教育による啓発活動を推進するとともに、必要に応じて倫理綱領を再検討し改正することも、学会の責務である。

 

1.基本原則

大学教育に関わる多様な背景を持つ会員によって構成される本学会における倫理とは、 多様な研究を通じて大学教育の研究と実践の探求とに当たり、専門的な能力と誠実性を追求し、研究の自由を実現し、人権を尊重することから成る。

(1) 専門的能力の追求

・大学教育に関わる専門的能力を維持・向上させ、最高の水準を目指して努力すること。
・自分の専門知識の限界を意識し、大学教育が特に総合的視野を要請されるものであることを常に留意しつつ研究活動を行なうこと。

(2) 誠実性の追求

・研究、教育、社会への普及、研究者の育成、実践への応用などの活動において本綱領の趣旨にそって真摯に取り組むこと。

・他者の成果を正当に評価し、自らの研究成果に対する批判には謙虚に耳を傾けること。

・法令、所属機関の倫理規範、手続きを尊重するとともに、研究活動に関わる一切の不正に関わらないこと。

(3) 人権の尊重

・すべての人々、とりわけ活動の対象となる人々の価値と権利を尊重し、侵害しないこと。

2.活動領域における倫理

基本原則にそった倫理の具体的なあり方を、代表的な3領域について示す。

(1) 研究活動

・研究費を適正に使用しつつ、成果を上げるように努めること。

・データの収集、記録・保存、利用における盗用・改ざん・ねつ造などの不正行為を行わず、それらへの加担もしないこと。

・研究成果に敬意を持って接し、役割に応じた著作権や先取権を尊重すること。

(2) 教育活動

・教育活動にあたっては、公私の区別を明確にし、学生の模範となる行動をとること。

・学生の人格を尊重し、学生みずから教養・人格・能力を形成することを助けること。

・自己の専門性と教育能力を高め、教育活動および教育環境の改善・向上に努力すること。

(3) 実践活動

・大学教育研究の成果にもとづいて実践への応用を進めること。

・実践の成果のねつ造や改ざん、他者の成果の盗用などの不正行為を行わないこと。

・活動において知り得た個人及び機関情報について、守秘義務を果たすこと。

 

3.社会的責任の自覚

・社会からの信頼を基盤として、社会に貢献する教養ある人間を育成する責任を自覚すること。

・本学会の使命に鑑み、研究活動が社会からの信頼を基盤として行われるものであるという自覚を、学会員相互に絶えず確かめ深め合うよう努めること。

・自己の能力の限界をも認識しつつ、活動の意義や役割を説明できるように努めること。

・大学教育及び大学教育研究の成果に敬意を持って接し、利益相反の事態にも注意深く配慮しつつ、学会員の多様性をふまえ、相互の理解を図る啓発活動として、公共性・公平性を尊重するよう倫理学習を継続的に行うこと。