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課題研究募集案内

2019年9月30日 

2020年度課題研究募集のお知らせ 

課題研究検討委員会(旧・課題研究候補選定委員会) 

 「大学教育学会課題研究規程」(以下、「規程」)及び「課題研究の選定に関する内規」(以下、「内規」)に基づき、2020年度の課題研究を下記の要領で募集します。
 なお、選定には直接関わりませんが、応募にあたっては「課題研究の評価に関する内規」もあわせてご参照ください。

1.課題研究について
 本学会は、1979年12月の「一般教育学会」としての発足直後から、「高等学校学習指導要領にかかわる大学教育の問題」(代表者:扇谷尚、1980-1984)を皮切りに、絶えることなく課題研究を行ってきました。周知のように、「『FD(ファカルティ・ディベロップメント:教授団の能力開発)』、『大学の自己評価』、『学士課程教育』などの課題研究は、学会の研究活動の中軸となり、旗印」(学会概要「趣旨と目的」より引用)ともなりました。学会の歴史は課題研究の歴史ともいえます。
 内規は、こうした課題研究を「学会として大学教育の実践と研究に係る重要な課題を明確にし、組織的に取り組むことで、学会としての研究を発展させる戦略的なもの」と定義し、「課題は,あらかじめ課題研究候補選定委員会によって検討され、理事会の議を経て決定されたものについて研究計画を公募し、審査を経て推薦するものを基本とする」とともに「学会員のアイデアを広く徴するために、公募には、個人会員による課題提案も含む」と規定しています。
 現在、進行中の課題研究は以下の3件です。
 ①「学生の思考を鍛えるライティング教育の課題と展望」(代表者:井下千以子、2018-2020年度)
 ②「アクティブラーニングを支援する学生アドバイザーの制度・研修・効果に関する実証的研究」(代表者:杉森公一、2018-2020年度)
 ③「学修成果アセスメント・ツール活用支援を通したエキスパート・ジャッジメントの涵養と大学組織の変容」(代表者:深堀聰子、2019-2021年度)
 2020年度は、これに新たな課題研究を1件加える予定です。この新規課題研究(1件)を募集します。 

2.新規課題研究について
(1)課題研究テーマ(委員会提案)
 新規課題研究については、当委員会及び理事会で検討し、下記のような9テーマを望ましいテーマとして提案します。 

 ①「大学教育における質的研究の可能性」
 近年、大学教育でも、量的データ・統計分析による実証的研究が増加してきたが、質的研究については、研究手法が十分確立していないこともあり、なかなか論文化されにくい。しかし、当事者の声を聴く上で質的研究は不可欠である。質的研究の方法的検討やすぐれた事例の収集に取り組む。

 ②「正課・準正課における経験学習型教育実践の現状と課題」
 現在、正課教育(Problem-BL、Project-BLなど)でも準正課活動(サービスラーニング、海外研修など)でも、経験学習型教育実践が、学生の学びと成長にインパクトを与えるものとして注目されている。その現状と課題を明らかにする。

 ③「大学における市民性教育(民主主義教育)」
 大学生は全員選挙権を持つようになり、民主主義社会を支える市民を育成することは高等教育においてより重要な使命となっている。学士課程答申においても「自由で民主的な社会を支え、その改善に積極的に関与する市民」として21世紀型市民を定義しているが、自由で民主的な社会についての知識とその維持・発展にどう関与するかについての教育は大学ではほとんど実践されていないのが現状である。このため、大学における市民性教育のあり方と実践についての研究を課題研究のテーマとして提唱する。

 ④「教職員能力開発における大学間連携の可能性と課題」
 従来の単位互換制度に加えて、地域ごとにFD・SDプログラムを共有する試みが始まって十年が経つ。地域の中核として位置づけられている大学が果たすべき役割は何か、どんな課題が見えてきたのか。

 ⑤「大学認証評価制度の効果に関する再検証」
  認証評価は始まって15年になるが、その指標は細分化する一方で、どこの大学も、相当なペーパーワークに苛まれている。認証評価は果たして教育を改善するための評価になっているか。認証評価のあり方や効果が再検証されるべき時期に来ているのではないか。

 ⑥「IR活動を教学マネジメントに有効活用するための方法と課題」
 IR担当は任期付き若手研究者の専門職ポストになりつつあるが、その職務はデータ収集、分析、加工、報告に限られる。そのデータを活用して大学の教学マネジメントに関して責任を負うのは理事や副学長である。しかし、そうした大学の経営陣とIR担当者の間に十分な連携がなされているであろうか。現状ではまだまだ不十分だと思われる。IRの分析結果を大学の教学マネジメントに有効活用するためには何が必要なのか。

 ⑦「大学の学習環境(ラーニングコモンズなど)のあり方について」
 近年、自律的な学習者の育成、大学の質保証や学びの質向上のためにラーニングコモンズ(LC)やアクティブラーニング教室などを整備しつつある。学習環境をどのように設計、運用、評価をしていく必要があるのか、授業や学習支援との連携といった点について検討する。

 ⑧「文理横断型の教養教育(新たな時代に求められる教養教育)」
 初等・中等教育の改革、ICTの普及、社会構造の変化などを背景として、大学の教養教育は今問い直しが迫られている。組織の枠を越えた幅広い分野からなる文理横断的なカリキュラムなど新たな時代に求められる教養教育について探究する。

 ⑨「実務家教員に対する能力開発」
 実務家教員に対する能力開発専門職大学をはじめとして、実務家教員が多用され始めている。豊富な知識や技術、実務経験を有する人材である一方で、必ずしも授業を教えることに熟練しているわけではない。実務家教員に対する体系的なFDを検討する。 

(2)課題研究テーマ(その他)
 ただし、上記のテーマにこだわらず、理論的・実践的な重要性、新規性・独創性、波及性・応用性などを有したテーマ・計画は奮って応募してください。内規が記していますように「先行事例がなく萌芽的な」課題も受け付けます。これまでの学会大会におけるラウンドテーブルを企画された方々をはじめとして、学会員の皆様の積極的な応募を期待します。 

3.申請手続きと審査について
(1)申請手続き
 応募される場合は、「2020年度課題研究申請書」に記入の上、2020年1月10日(金)までに、事務局(jacue.office@gmail.com)へ、メール添付にてご提出ください。内規では「12月に研究課題を公表し・・・2月末までに申請」となっていますが、テーマを含めての公募であり、その後の審査に要する時間を考慮し、募集開始と締切をともに早めました。募集期間はこれまでより1ヶ月近く長くなっています。
 申請書作成にあたっては、候補に選定された課題について組織される研究委員会(規程第6条)は、「一般社団法人大学教育学会定款」第44条に定める委員会となりますので、会員しか委員にはなれません。応募(申請)の時点を含め、会員番号のある個人会員によって申請書の研究委員会を構成する必要があることに、特にご注意ください。
 研究期間は、「当該研究委員会の設置期間は最長3年」(規程第9条)と定められていますので、今回の応募では、2020年4月から三ヵ年の研究計画を原則とします。
 研究補助金は、規程第5条「理事会は、課題研究候補選定委員会から推薦された選定候補を審議するとともに担当理事並びに課題研究に対する補助金の拠出額について決定する」としておりますが、課題研究一件ごとにおおむね年間40万円とお考えください。 

(2)募集期間
 2019年10月1日(火)~2020年1月10日(金) 

(3)審査
 テーマが委員会提案にそったものかそうでないかに関わらず、当委員会及び理事会で厳正な審査を行い、1件を採択します。なお、複数の会員(グループ)から類似性の高いテーマでの応募があった場合には、当委員会で検討し、必要と判断すれば、調整して一本化を図る可能性もあります。
 申請された研究計画は、内規に示されている「課題研究の選定基準」に基づき、当委員会が総合評定を行った上で(複数推薦する場合は順位をつけ)、選定候補として理事会に推薦します。2020年3月の理事会において審議され、4月からの課題研究が決定される予定です。 

・「2020年度課題研究申請書